Q.交通事故にあい、相手方の保険会社の方と保険料の金額について話合いがまとまりません。裁判をするよりも簡単な「調停」というものがあるようですが、どのような手続きをすればよいでしょうか?
A.調停は、裁判所に所属する調停委員会が、当事者双方の言い分を聴き、当事者の話合いによってトラブルを解決することを目指す手続きです。
調停の申立ては、原則として、相手方の住所を管轄する簡易裁判所で行います。
調停の手数料は、請求額に応じて決められており(例えば、50万円を請求する場合、調停の手数料は2500円)、収入印紙で納めます。
申立ての際には、簡易裁判所に用意された申立書に記入するほか、交通事故証明書や診断書の写しなどがあれば添付します。
調停は訴訟よりも簡単な手続きですが、簡易裁判所では、調停の手続きの案内はしてもらえても、一方の当事者にとって有利となる助言はしてもらえません。そのため、調停をお考えの場合でも、まずは、弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
1 交通事故の調停
交通事故についての話合いがうまくまとまらない場合、裁判所を利用して解決する方法として、訴訟と調停という2種類の手続きがあります。
訴訟は、裁判官が当事者双方の言い分を聴き、証拠を調べた上で、法律に照らしてどちらの言い分が正しいかを決める制度です。
これに対し、調停は、一般市民から選ばれた民事調停委員と裁判官とにより構成される調停委員会が、当事者双方の言い分を聴き、当事者の話合いによってトラブルを解決することを目指す手続きです。
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2 調停の申立て
調停の申立ては、相手方の住所を管轄する簡易裁判所で行います。人身事故の場合、請求者の住所のある簡易裁判所でも申立てをすることができます。
調停に必要な費用は、手数料と郵便切手代です。手数料は、損害賠償額が50万円で2500円、損害賠償額が100万円で5000円などと決められており、収入印紙で納めます。
調停の申立書は、交通事故用のものが簡易裁判所に用意されています。調停の申立書には、交通事故証明書や診断書の写しなどを添付します。また、当事者が会社などの場合には、商業登記簿謄本も必要となります。
※「交通調停の記載例」(http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_minzityoutei/syosiki_02_12/index.html)
3 弁護士への相談
調停は訴訟よりも簡単な手続きですが、簡易裁判所では、調停の手続きの案内はしてもらえても、被害者にとって有利となる助言はしてもらえません。
そして、調停を申し立てても、相手方が低い金額を主張し続け、調停がまとまらないこともあります。
しかし、調停の場合も、弁護士に依頼すると裁判を前提とした適正な内容で解決することが多くあります。
弁護士は交通事故の被害者の心強い味方となりますから、調停の申立てについて疑問がありましたらお気軽にご相談ください。