今回は、人身傷害補償保険についてご説明いたします。
皆さん、車に乗られる方は「自動車保険(任意保険)」に加入されていることと思います。
自動車(任意)保険は、基本的には「対人賠償保険」「対物賠償保険」をその内容としており、事故によって相手に怪我や物損を負わせた場合に、その損害を保険会社があなたに代わって賠償してくれることになっています。
そして、自動車保険では、上記の基本的な賠償保険のほかに、オプションとして様々な「特約」を付すことができるようになっています。
この「特約」の一つとして、人身傷害補償保険という特約があります。
この「人身傷害補償特約」は、万が一、あなたやご家族が交通事故で怪我をしたときには、とても役に立つことがあるのです。
相手に過失のある交通事故で怪我をした場合、治療費や休業損害など、あなたが被った損害は、相手から賠償してもらうことになり、通常は、相手が加入している任意保険会社がこの賠償金を支払ってくれることになります。
ただ、交通事故の原因について、あなたの方にも過失がある場合(たとえば、相手:あなた=60:40)には、相手からは、あなたの過失分を控除した金額(先ほどの例では60%分)しか支払ってもらえません。
また、あなたに全く過失がなくても、相手が任意保険に入っておらず、また、相手本人にも資力(お金)がない場合には、結局、正当な賠償金を払ってもらえず、泣き寝入りになってしまうのが現実です。
そんなときに、あなたが人身傷害補償保険に入っていれば、この保険から、治療費、家事や仕事を休むことによる損害、さらに、慰謝料まで、その全額を支払ってもらえるのです。
もしも、あなたやご家族が交通事故に遭った場合には、どのような保険に入っているか、どのように保険を活用できるかについて、ぜひしっかりとご検討ください。
弁護士にご相談いただければ、的確にアドバイスいたしますので、お気軽にご相談ください。
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交通事故被害を受けた場合、加害者あるいは加害者側の保険に請求するというのは、すぐに思いつくことですが、自分の側の保険についても、その活用を検討すべき場合があります。
著者紹介
弁護士 田代 隼一郎
おくだ総合法律事務所 所属
平成24年 弁護士登録 福岡県弁護士会所属
九州大学法学部卒 大阪大学大学院高等司法研究科修了